どたばた誕生会
2012年12月初め、養護でノロウィルスが発生しました。ご利用者は全員、居室からは出ないようお願いし、食事も部屋で食べていただきました。わたしたち職員は日々、ノロ感染者が増えないように、掃除や消毒、感染症対策に忙しく走り回っていました。
1週間で隔離対応が解除され、ふと気がつくと予定されていた誕生会が明日に迫っていました。予定では、お楽しみコーナーで職員4人力を合わせ、ハンドベルを披露することになっていました。ノロ感染が発覚する前に、ハンドベルも楽譜も購入済みでしたが、練習をすることはもとより、ハンドベルを触る事さえ一度も出来ていませんでした。
「誕生会はもう明日。披露するならちゃんと上手に披露したい。できればネタを変更したい。」という考えの私。一方、主任の考えは「ぶっつけ本番でもいいから絶対ハンドベルを披露したい。下手ながらも、一生懸命やっている姿をご利用者に見せたい。」どんなに変更を頼んでも聞き入れてもらえず、結局、誕生会前ほんの15分時間をもらって4人で練習することに。
ほぼ初めてに近いハンドベル、私たちはぎこちなくベルを振る。「もろびとこぞりて」、メロディーになっているような?なっていないような?何度やってもそんな感じ。出だしは良くても途中から何の曲だか分からなくなり、おかしくなる。楽譜をよく見ると、ピアノの伴奏が主旋律を奏でる楽譜なのでした。今更どうすることもできないので、そのまま練習し披露することになりました。
1回目、途中でつっかえてしまう。納得いかない出来。ご利用者に無理をお願いして、アンコールしていただきました(笑)。2回目、何となく形になったようでした。決してメロディーやリズムも上手くいってないし、主旋律もないけれど、ベルがきれいに響いていたようです。ご利用者からも笑顔と拍手を頂けました。
やっつけ仕事が大嫌いなわたし。演奏前、こんな状態でハンドベルを披露するのはどうかと思っていましたが、ご利用者の喜びようを見たら主任に押されてベルを披露してよかった様な気がします。やっつけでも許せるようになるとは、わたしの考え方も少し柔らかくなったかな?今年12月には4人で力を合わせて、主旋律のあるクリスマスソングをハンドベルで披露するのが目標です。最後に、縫島さん、鷲巣さん、松島くん、いつもありがとう。
養護老人ホーム希望館(寮母) 茂呂睦美