献堂式に寄せて
平成23年1月30日の日曜日、午後1時30分から新築になった養護老人ホームで、法人の理事・監事・評議員、地域の区長さん・民生委員さん、群馬県老施協の津久井会長、県内養護老人ホームの施設長さん方、行政の関係者、設計施工を担当された会社の方々にご出席いただいて「献堂式」を執り行いました。座席の最前列中央には、一昨年9月に他界された松沢 睦 前理事長の写真がおかれています。一般的には「落成式」と呼ばれる式典ですが、希望館のお仕事は神様とイエス・キリスト様のお導きによって行われているので、新築の建物も神様への捧げものであるとの認識から「献堂式」と言います。
司式は救世軍高崎小隊の太田 晴久 小隊長にお願いし、厳かなオルガンの音色とともに式は始まりました。最初に出席者全員で賛美歌を歌い、小隊長がお祈りを捧げます。続いて、体調を崩されやむを得ず欠席された山田 富二 理事長に代わって、副館長の松沢より皆様にご挨拶。「松沢 睦 前理事長の『遺作』でもあるこの養護老人ホームを是非可愛がってあげてください」と結びました。
来賓のご挨拶は、 大澤 正明 群馬県知事(介護高齢課長代読)、松浦 幸雄 高崎市長、宮下 智満 群馬県社会福祉協議会長のお三方からいただきました。皆さん前理事長とは公私ともに非常に関係の深かった方々であり、いわゆる「型どおり」のご挨拶とは違う、心のこもったご挨拶をいただきました。本当にありがとうございました。
当日のプログラムには「有志」とだけ書かれてありました賛美歌のプレゼントがありました。曲目は賛美歌533番「くしき主のひかり」前理事長の愛唱歌でもありました。歌ってくださったのは前理事長の妻である松沢 紀子 施設長と、前理事長のいとこの方々、「ぜひ歌わせてくれ」とプログラムに盛り込まれた賛美歌の歌声は、献堂式に間違いなく華を添えてくれたと思います。
その後、設計を担当してくださった株式会社 石井設計の石井 繁紀 社長と、施工を請けおい、9ヶ月という短い工期であったにもかかわらずしっかりと仕上げてくださった信澤工業株式会社の信澤 卓 社長に、山田理事長より感謝状と記念品が贈られ、お二方からもご挨拶を頂戴しました。私も、この日のご挨拶の中でうっかり伝え忘れてしまった感謝の言葉をここで書かせていただきますが、昨年夏のあの猛暑の中、熱中症・脱水症状の一人も出すことなく「安全第一、けが人を決して出さぬよう!」と山田理事長の言葉を最後まで守り抜いてくださったことに、心から感謝いたしますと同時に、皆さんのプロ根性に感動いたしましたことを申し添えます。
献堂式はさらにすすみ、太田小隊長のお話、賛美歌の斉唱、に続いて祝祷を捧げ終了となりました。お忙しい中、ご出席くださいましたすべての方々に心より感謝申し上げます。記念品のマグネットとボールペンは、本当にささやかなものですがお使いいただければ幸いです。
さて「養護老人ホーム」は現代社会のセーフティーネットとして、介護保険の時代にあってなお行政による措置施設として存在しています。希望館がその昔、まだ社会福祉の法整備ができていなかった創設の頃、ほぼ慈善事業としてスタートしたのは、今でいう養護老人ホーム・児童養護施設・生活保護法の救護施設に頼らざるをえない人たちのためでした。時代は変わり、今や介護保険施設や介護サービス事業者は、まさしくしのぎを削っているかのようです。しかし、私たち希望館は、歴史に学び、創立の精神に触れ、現在に照らし、先人が築き上げてきた福祉をさらに発展させると同時に、決してなくしてはならないセーフティーネットを、神様の恵みによって与えられ、皆様に見守られながら船出するこの新しい建物で、守り続けて参ります。どうか皆様お力添えをお願い申し上げます。
社会福祉法人 希望館
副館長 松沢 斉